こんにちは、Tina Blogです。
今日は猫と暮らす方なら一度は気になるテーマ、
「猫の吐き戻し」についてお話ししたいと思います。
ティナと暮らしていても、ときどき「ん?」と不安になる瞬間があります。
実際に、猫が吐く=すぐ病院?様子見で大丈夫?と迷う方はとても多いです。
この記事では、受診が必要な吐き方と、様子を見てもいいケースの見分け方を、獣医の立場からやさしくご紹介します。
猫が吐くのは珍しくない?
まず大前提として、猫は比較的「吐きやすい動物」です。
犬に比べて嘔吐反射が強く、健康な猫でも吐くことがあります(※1)。
ティナも、時々朝に空腹で白い泡を吐いたり、毛玉を出すことがあります。
でも、それだけで「病気かも…」と不安になる必要はありません。
とはいえ、毎回同じとは限らないのが猫の難しいところ。
次の項目では、チェックすべきポイントを見ていきましょう。

「様子見OK」なケースは?
次のようなケースでは、数時間〜1日様子を見てOKなことが多いです。
✅ 空腹時の吐き戻し(白い泡)
- 食事の間隔が空いてしまったときによくある
- 胃酸過多で軽く嘔吐する場合
- ぐったりしていない、すぐに元気になる場合は経過観察でOK
✅ 毛玉の吐き戻し(毛のかたまり)
- ラグドールなどの長毛種に多い
- 口から「毛玉だけ」が出ていて、他に異変がなければ問題なし
- ブラッシングや毛玉ケアが大切
✅ 食後すぐの早食い吐き(未消化のフード)
- ドライフードを丸飲みしてすぐに吐く
- 一気食いタイプの子によくある
- フードボウルを工夫したり、回数を分けて与えると改善することも
こんな時は要注意!受診のサイン
逆に、以下のような症状があればできるだけ早めの受診をおすすめします。
⚠️ 吐いたあともぐったりしている
→ 脱水や内臓系疾患の可能性も。
⚠️ 1日に何度も吐く
→ 急性胃腸炎や異物誤飲の恐れあり。
⚠️ 吐いたものに血が混ざっている
→ 消化管出血の可能性。至急の受診が必要です。
⚠️ 数日間、食欲がない・お水も飲まない
→ 慢性疾患の初期症状かも。
⚠️ 吐く仕草だけして、何も出ない
→ 毛玉詰まりや尿閉など緊急性の高い状態かも。要注意。
吐き戻しを減らすためのホームケア
① ごはんを分けて与える(1日3〜4回)
→ 空腹時間が長いと胃酸がたまり、吐きやすくなります。
② ゆっくり食べられるフードボウルを使う
→ 一気食いを防ぎ、吐き戻しの予防に◎
③ 定期的なブラッシング
→ 毛玉の形成を減らすことは、長毛種の基本ケアです。
④ 飲水量のチェック
→ 水分が足りないと消化がスムーズにいかず、吐きやすくなります。
【獣医視点】よくある質問 Q&A
Q:1週間に1回くらいの嘔吐は様子見でいい?
A:元気・食欲があり、吐く内容が明確(毛玉・泡など)であれば、経過観察OKです。
ただし、徐々に回数が増えてきたときは受診しましょう。
Q:吐く前に鳴いたりうろうろするのは普通?
A:多くの猫は「吐く前に落ち着かなくなる」行動をとります。
ティナも、吐く前にちょっと鼻を鳴らしたり、ソワソワすることがあります。
まとめ|「ちょっとした吐き戻し」こそ観察が大事
猫の吐き戻しは、珍しいことではありません。
でも、「いつもと違うかも?」と思ったら、その“ちょっとした違和感”を大切にしてください。
ティナも、最初はちょっと吐いただけでも心配でそわそわしていましたが、
今では「この子はこういうタイプなんだな」とわかるようになりました。
もし迷ったら、どうかかかりつけの動物病院に相談してくださいね。
この記事が、少しでも安心や判断の助けになれば嬉しいです🐾
※1:Bradshaw JWS. “The Behaviour of the Domestic Cat.” 2nd ed., CABI (2012)
※2:Ellis SLH. “Environmental Enrichment for Cats.” Waltham Focus (2009)
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