【獣医監修】猫の“してほしくない行動”にも理由がある?行動学から見る猫の本音

こんにちは、Tina Blogへようこそ。
「うちの猫、どうしてこんなことするの?」
「やめてって言ってるのに、またカーテン登ってる…!」

猫と暮らしていると、「ちょっと困った行動」に悩むことってありますよね。
でも実は、それらの行動にはすべて猫なりの“理由”や“本音”が隠されているんです。

今回は獣医師の視点から、猫がよく見せる「してほしくない行動」とその意味・対処法を、やさしく解説していきます◎


目次

猫は「問題行動」ではなく「自然な行動」をしているだけ

私たちにとって“困った”と思える行動も、
猫にとってはごく自然な本能や自己表現であることがほとんどです。

📌【参考文献】Turner DC & Bateson P. (2014). The Domestic Cat: The Biology of Its Behaviour
📌【参考文献】Amat M. et al., Journal of Feline Medicine and Surgery, 2009.


よくある「してほしくない猫の行動」とその本音


🛋 1. 家具や壁で爪とぎをする

【本音】

  • テリトリーのマーキング
  • ストレス解消
  • 古い爪の除去

猫にとって爪とぎは自然な自己管理行動
「やめさせる」よりも、“してもいい場所”を用意する方が現実的です。

✅ 対処法

  • 爪とぎ器を数カ所に設置(素材の好みに合わせて)
  • マーキング防止スプレーを併用

🚪 2. ドアや網戸に飛びつく・開けたがる

【本音】

  • 外の景色に興味がある
  • 環境が退屈で刺激を求めている

特に若くて元気な猫ほど、「もっと遊びたい」「探検したい」という欲求が強く出ます。

✅ 対処法

  • 窓際にキャットタワーを設置して外を安全に眺められる環境に
  • 1日10〜15分の遊び時間を意識的に確保

💧 3. トイレ以外でおしっこをする(粗相)

【本音】

  • トイレ環境が気に入らない(場所・砂・掃除頻度など)
  • ストレス・不安
  • 尿路の病気のサイン

「嫌がらせ」と思われがちですが、猫は不快な状況に正直なだけなんです。
中には膀胱炎などの病気が関係していることもあるため、まずは受診が基本です。

✅ 対処法

  • トイレは頭数+1個を目安に設置
  • 砂の種類・掃除頻度を見直す
  • 排尿回数・量に異常があればすぐに動物病院へ

→【参考】Buffington CA. Feline Lower Urinary Tract Disease and Stress. 2011.


🕓 4. 夜中に走り回る(通称:深夜の運動会)

【本音】

  • 本来の活動時間が夜〜明け方
  • 日中の刺激不足・運動不足

猫は夜行性の名残をもった薄明薄暮性の動物
昼間に十分な活動ができていないと、夜にエネルギーが爆発してしまいます。

✅ 対処法

  • 寝る前におもちゃでしっかり遊ぶ(15分程度)
  • 知育トイやおやつボールで「狩りごっこ」の代わりに

👊 5. 飼い主を急に噛む・引っかく

【本音】

  • 甘えていたのに、急に“しつこい”と感じた
  • 触られたくない部位に触られた

猫は気まぐれに見えるけれど、とても繊細な感覚の持ち主
“しつこさ”の基準は猫によって違うので、しっぽ・耳・ひげの変化などを観察して対応しましょう。

✅ 対処法

  • しっぽをバタバタさせ始めたら撫でるのをやめる
  • 信頼関係を崩さないために「怒鳴る・叩く」はNG

「困った行動」の裏には、猫からのサインがある

猫の“してほしくない行動”は、猫からの小さなSOSや気持ちのサインであることが多いです。

  • 環境に問題がある
  • 退屈している
  • ストレスがたまっている
  • 体調が優れない

その背景に気づいて、猫が心地よく過ごせる環境を整えてあげることが、解決の第一歩になります。


まとめ|「やめて!」の前に、“なぜ?”と聞いてあげよう

猫は「問題行動」をするのではなく、自分なりに一生懸命気持ちを伝えようとしているだけ

困った行動の裏にある本音に気づいてあげることで、
もっと仲良くなれるヒントが見つかるかもしれません◎


※本記事は一般的な行動学の知見に基づいています。急な行動変化や症状が見られる場合は、必ずかかりつけの動物病院へご相談ください。

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