こんにちは、Tina Blogへようこそ。
「猫ってマイペースでひとりが好きな動物でしょ?」とよく言われますが、
実はそれ、ちょっと誤解があるかもしれません。
猫には確かに“孤高”なイメージがありますが、
実は人や仲間との関わりをしっかり大切にしている社会的な一面もあるんです。
今回は獣医師の視点から、猫の社会性・性格傾向・信頼関係の築き方について、やさしく解説していきます◎
猫はもともと単独行動をする生き物
猫の祖先であるリビアヤマネコ(Felis lybica)は、
元々単独で狩りをする「ソロハンター」です。
この背景から、猫は「犬のように群れを作らない動物」として知られてきました。
📌【参考文献】Bradshaw J. (2013). Cat Sense: How the New Feline Science Can Make You a Better Friend to Your Pet
そのため、「猫=ひとりが好き」というイメージが定着したのも自然なことなのですが…
実は“社会的”な行動も多い猫たち
最近の研究では、猫は状況に応じて社会的なつながりを持つ能力があることがわかってきました。
✅ 多頭飼育下での協調性
野良猫のコロニーや保護施設などでは、
- 母猫が子猫以外の子も面倒を見る
- 猫同士で毛づくろい(アログルーミング)をする
- 同じ寝床でくっついて寝る
など、協力しながら暮らす行動も多く観察されています。
📌【参考文献】Turner DC, Bateson P. (2014). The Domestic Cat: The Biology of Its Behaviour
飼い主との“絆”も深く築く
猫は人間ともしっかりした愛着関係を築くことができます。
🐾 信頼している人に見せる行動
- スリスリと体をこすりつける
- ゴロゴロ音を鳴らす
- 寝ているときにくっついてくる
- 目を細めて「まばたき」を送る(いわゆる“猫のキス”)
こうした行動は、猫が安心している・好意を持っているサインです。
📌【参考研究】Vitale Shreve K. et al., Current Biology, 2019
「猫も犬や乳児のように人との安全基地行動をとる」という結果を発表
ひとりが好きな時もある。だからこそ“選んで近づいてくれる”
猫の魅力は、「いつもベタベタしないけど、ちゃんと見ていてくれる」というその距離感。
そして、気が向いたときにそっと寄り添ってくれるそのタイミングこそが、猫らしさでもあります。
人との関わりを求めないように見えるときでも、
実はしっかり「空気を読んで」行動していることもあるんですよ◎
複数飼いしてもいい?猫の社会性の活かし方
猫の中には、他の猫と仲良くなれるタイプ・なれないタイプがあります。
✅ 多頭飼育がうまくいきやすい例
- 小さい頃から他の猫と過ごしてきた
- おっとりした性格で、新しい猫に威嚇しない
- オス同士、もしくは避妊・去勢済みで穏やかな子
✅ 注意が必要なケース
- 元々ひとりで静かに暮らしていた猫
- 急に新入り猫を迎える
- テリトリー意識が強い性格の子
新しい猫を迎える際には、お互いの性格や相性、慣れるまでの“距離感”を大切にしましょう。
まとめ|猫は“気まぐれ”じゃなく“繊細な社会性”を持つ動物
ティナも普段はのんびりマイペースですが、
私が疲れて帰ってきた日は、スッと隣に来てくれたりします。
猫は一見「クールでひとりが好き」に見えても、
実は人や他の猫との関係性を、静かに、でもしっかり感じている動物です。
「距離感を大事にしながら、つながる」
それが猫の社会性のかたちなのかもしれませんね◎
※本記事は一般的な行動学の知見をもとに構成されています。個体差や生活環境によって猫の社会性は異なります。気になることがあれば、獣医師にご相談ください。
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